てんコミ新装版記念「オバケのQ太郎」のススメ!
てんとう虫コミックスで「オバケのQ太郎」が発売決定!
やったね!
あの愛すべき20杯ごはんオバケとその仲間たちが、
小中学生のおこづかいでも買える価格で帰ってくる!
ということで応援記事を書いてみました。
<概要について>
小学館の特設サイトはこちら。
レーベルはてんとう虫コミックスで全12巻、税込529円程度。
1・2巻は7月24日発売で電子版も同時配信。
クレジットは藤子・F・不二雄、藤子不二雄Aの連名になっています。
小学館のコミックス紹介によると、
1969年に虫プロ商事から発行の「虫コミックス」版の全12巻を元にするとのことで、以前に小学館のてんとう虫コミックスから出ていた全6巻の「傑作選」を復刊するわけではないようです。
収録作品数は
なので、全ての話が収録されるわけではないことに注意が必要です。
また、O次郎や河伊伊奈子さん、ヒョーロクさんが登場する
「新・オバケのQ太郎」シリーズの刊行は今のところ未定のようです。
◇
いや~嬉しいですね。
もちろん「藤子・F・不二雄大全集」でもオバQは復活していましたが、
いかんせん、一冊の値段が高く、
また、凶器になりうる厚さのため、
子どもが気軽に読める本じゃないなあと思っておりました。
大人にしても、寝転んでおやつ食べながら読める本でないのは同じく。
ひょいっと取り出して、さくっと読める形態で発売されるのは
本当に良かったと思います。
このマンガは大人が読んでも、もちろん面白いのですが、
その「ドカーン!」と炸裂するようなギャグは、
自分の子ども時代のツボにはまって大笑いしていました。
断然子どものうちに読んでほしい!と感じる作品だったので、
今回のてんコミ版の発行は大歓迎です。
旧版のオバQの単行本各種は
平成になる頃には新刊書店から姿を消していたので、
私が「子ども」の頃読むことができたのは、
古本屋で購入できた何冊かのみでした。
それも、全巻揃えることができないまま、
気がつけば大手古書店でショーケース入りのプレミアセット価格に。
高校、大学と多少お金に余裕ができても、ため息が尽きませんでした。
……しかしながら2015年の現在は違う!
「藤子・F・不二雄大全集」によってほぼ全話を読めるだけでなく、
何十年ぶりかで、子どもでも新刊で読める価格・形態で帰ってくる!!
なんといい時代になったんだ!
そんなこんなで、ぜひぜひ応援したい気持ちを胸に、
このマンガの好きなところについて
つらつらと紹介していきたいと思います。
子ども時代に読んだものを中心に挙げているため、
後期作品に偏っておりまして申し訳ありません。
※画像はてんコミからスキャンしておりますので、引用元として挙げている全集のコマと仮名づかいが異なる場合があります。
◇
レギュラーキャラのゴチャゴチャにぎやかさ
やっぱりこれこれ!
オバQは登場人物が個性豊かで、
しかも多人数なのがとても楽しいのです!
連載初期のような、Qちゃんが常識を外して
かき回すような話ももちろん面白いのですが、
キャラが確立してくるにつれて、
正ちゃんドロンパ小池さん等、周囲の連中も負けちゃいない。
誰しもがボケとツッコミをこなせる上に、
全員でギャグの波状攻撃をしかけてくるからたまりません。
全員集合系で好きな話としては、
こちらの「オバQ内閣」などがあります。
(新装版11巻収録見込み)
藤子・F・不二雄/藤子不二雄A, 「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻,
「オバQ内閣」, p283. 小学館, 2010年. ほか。
退屈している連中が集まって政治家ごっこをやる話で、
自然に政治の勉強にもなります。
しかし何より、
これだけのメンツが揃ってまともに「大臣」の仕事をするわけが無い!
ということでこの有様。
同、「オバQ内閣」, p279ほか
文部大臣の正ちゃんの発案。
何も言わず腕組みをしているQ太郎首相の白け方もおかしいですが、
こんなのジャブです。ジャブ。
引き続いて科学技術庁長官のハカセのところに赴くと、
「地球をゆっくり回して一日を長くしよう」という提案が。
どうやってゆっくり回すのか?と問うと、
「それは大臣じゃなくて科学者のかんがえる仕事だよ」
と、バッサリ。
運輸大臣ということで荷物運びをさせられているゴジラを見送りつつ、
大蔵大臣と農林大臣を視察に行くQ太郎首相。
同、「オバQ内閣」, p280ほか
農林大臣の小池さんが、
「安くてうまいラーメンを調べるために予算をよこせ」
と要求すると、
「みんなから税金を集めようかと思っていた」
と発言する木佐大臣。
いよいよ混沌とした内閣が形成されてきたところで、
外務大臣のドロンパに遭遇。
「日中会談けつれつだ!」と叫ぶ大臣に事情を聞くと、
ただでラーメンを食べさせるよう交渉した、とのこと。
同、「オバQ内閣」, p281ほか
これを「いじきたない!」の一言で済ますのか首相……
というか張年天(ちょうねんてん)さんって、オイ。
そもそもアメリカオバケのドロンパが日本の代表なのか!
どいつもこいつもラーメン好きだな!
と、まあ、フルメンバーでたたみかけてきます。
ポイントは一人がおかしいことをやっているんじゃなくて、
いたって真面目に、しかしピントのズレたことを
全員で重ねてくるというところですね。
ツッコミ役はほとんど機能せず、
頂点に達したところでドカーンと爆発するのが
「オバQ」ギャグの真骨頂!
同、「オバQ内閣」, p283ほか
となり町の連中に空き地を取られるという「外交問題」が勃発し、
対応を巡って国会が紛糾する……
と、まあ、現実の政治のようでもありますが、
小池さんは相変わらずラーメン食ったまま達観してたり、
ドロンパが面白がっていたりと、てんでやりたい放題!
こうして多人数でカオスにカオスを重ねていく構造が、
この作品ならではでとても好きなところです。
◇
Qちゃんの居る楽しい日常!
Q太郎は化けることはできないし、大食らいだし、
何か使命を持っているわけでもありません。
でもQちゃんが居たら楽しいだろうな~と感じさせる日常描写、
ユカイな日々の物語にひきつけられます。
中でもちょっとした出来事が
どんどんエスカレートしていくタイプの話がお気に入り。
画像は「今年はついてる」から。
(新装版12巻収録見込み)
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻「今年はついてる」, p78ほか
ゴミがちょうどくずかごに入った、
そういうほんのちょっとした「いいこと」から、
伸一兄さんにおやつをもらい、
近所の押し売りを追っ払っておこづかいをもらい、
ダイヤの指輪を拾って1割の10万円をもらい……
と続いていきます。
同、「今年はついてる」, p87ほか
あやかろうとした正ちゃんが失敗して損をする展開をはさみ、
なおもQちゃんの幸運は続く。
ドロンパが空から落とした果物を食べてしまい、
全財産で弁償しようと山盛りの果物を買ったところに、
高級車が突っ込んでくるという超展開。
同、「今年はついてる」, p89ほか
乗っていたのは運転が苦手な大会社の社長。
「やわらかいものにぶつかったおかげで助かった」と、
Qちゃんにポンと車をプレゼント。
そこに素晴らしいタイミングで通りがかった特大会社の社長が
車が無くて困っており……
と、わらしべ長者のごとく、どんどんすごいことになっていきます。
こんなのありえないだろー
と言えばそのとおりなんですが、
子ども心にはとてもワクワクさせられるお話でした。
Qちゃんが終始無欲で純粋なだけに、
エスカレートしていく幸運とのギャップが楽しいです。
あと、山盛り果物がとても美味しそう。
◇
人間味たっぷりのオバケたち
Qちゃんはもとより、
オバケ連中がみんな人間味豊か!
この作品の「ふしぎ」要素であるはずのオバケでありますが、
本来の怖さ得体の知れなさはどこへやら。
人間ではないもの達が、ごく当たり前のように日常に溶け込み、
喜怒哀楽を持って、読者の身近に感じられます。
こうした「日常の中にある非日常」感が、
爆発的ヒットによって、日本中の人々に受け入れられていたのだと思うと、
改めてこの作品はすごいなあと思います。
何はともあれ、
まずは21世紀の現代でも全く古くない、
賢い妹キャラP子!
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻、「ぼくはだめなオバケ」, p254ほか。
新装版8巻収録見込み。
あんぐりと口を開けた兄に、
「古典文学に描かれた日本女性の地位」が観たいと告げる妹!
ひと目で関係性を把握することができる
完成度の高いひとコマです。
料理や裁縫は苦手だったり、
ヘアスタイルに悩んだり、
ちょっとマイペースなところがあるのも
単なる優等生キャラにならずP子のキャラを引き立たせています。
劣等感に悩む兄へのフォローも忘れない。
今回の新装版にはP子が主人公の
「オバケのP子日記」も収録されるはずなので必見です。
続いては、これまた現代でも通用する、
いたずら好きのあまのじゃくだけど本当はいい子な、
アメリカオバケ、ドロンパ!
同、10巻「ドロンパかわいや」, p255ほか。新装版6巻収録見込み。
ここまで来て「……ような気がする」なのかよ!
悪かった、と素直に謝れないドロンパと
まごのように可愛がる神成さん。
この二人のエピソードも大好きです。
大原家に並んで、こちらもまぎれもない「家族」なんだろうなあ。
そして最後は
Qちゃんのガールフレンド、
パワフル柔道少女オバケ、U子さん!
同、11巻「U子の柔一代」, p212ほか。新装版11巻収録見込み。
並みの人間でもオバケでも相手がつとまらない、
いわゆる暴力ヒロインではありますが、
どこか憎めない魅力を持つ彼女。
つくづく、時代を先取りしているなあと感じます。
対U子さんに関しては、
完全にQちゃんが振り回されっぱなしなのが良いですね。
こういう力関係大好き。
中でも初登場の回では
ドロンパに負けじとU子さんの気をひこうとする
Qちゃんの奮闘ぶりがおかしい。
同、11巻「おてんばU子」, p158ほか。新装版10巻収録見込み
『 123の4 』 って!
詩って!
そう聞くからにはU子さんも薄々判っているはずなのに!
てか「誰の詩?」に対して「123の4」って人名みたいに答えないで!!
だぁーはっはっは!
ああおかしい、子どもの頃はコレが一番好きでした。
ツボにはまって、何度読んでも爆笑していたものです。
ふざけているわけではなく、あくまで本人は詩を捧げようと一生懸命。
いや、マジでQちゃん才能あるよ、惚れるわ!!
実はこれを紹介したいがために記事を書いたようなものでした。
U子さんが本格的にレギュラーに加わるのは
「新・オバケのQ太郎」からで、
無印「オバケのQ太郎」では
ほぼ「小六」掲載分のみの登場ではありますが、
Qちゃんとのかけあいも楽しく、その個性は際立っておりました。
U子さんに関しては「新」の方でも
名作「U子なんかだいきらい」が控えているので、
引き続いての新装版化を目指して応援します!
◇
おまけページ(カバー下)は収録されるか?
その他、今回は虫コミ版を元にするということで、
収録されるか注目なのがおまけページ。
同、10巻「特別資料室」より「独占取材 オバQ ドロンパに七つの公開質問!!」, p396。元典は虫コミックス「オバケのQ太郎」9巻カバー裏より。
ぬかみそをどうして日本政府は禁止しないのかとまで語るドロンパさんが
カッチョイイ。
F全集に収録されたものによると、
虫コミックス版のカバー下には
こういったおまけがいろいろ載っていたようなのですが、
今度のてんコミ版にもなんらかの形で収録されると良いなあ。
◇
最後に、F全集版オバQもおススメ!
前述のように、なかなか気軽に読める感じではないのですが、
その分資料性は高く、作品網羅率はNo.1。
先ほどの虫コミ版カバー下のような再録のほか、
少年サンデーや学年誌での特集記事も多数収録しています。
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」2巻、「特別資料室」より(描き方講座とつくり方講座), p447.
玉子の殻を使ったQちゃんのつくり方講座。
説明の文末に全て「いただく」を付けるという、
このリズム感の良さがお気に入りの記事です。
オバQパロディの定番として流行らせよう!?
また、幼年向けに描かれたカラー作品も見どころ。
同、、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」12巻、「サンタさんに会いたい」, p54.
Qちゃんは白くても、どこか温かみがあるのでカラーが映えます。
新装版で興味を持たれた方はF全集もぜひご覧になってみてください。
◇
ということでお送りしてきました
てんコミオバQ新装版記念企画!
興味を持っていただけたり、
また読んでみようかなと感じていただけた箇所がありましたら幸いです。
次世代WHFでためし読み冊子も配られていたようで、
子どもたちが楽しんでくれたら良いなあ。
てんとう虫コミックス「オバケのQ太郎」(新装版)全12巻は、
2015年7月24日から2016年4月にわたって刊行予定です。
◇
<追記>
発売後のレビューを書きました。
てんコミ新装版「オバケのQ太郎」1・2巻見どころ紹介!
てんとう虫コミックス新装版「オバケのQ太郎」1・2巻レビュー(F全集との比較を中心に)
やったね!
あの愛すべき20杯ごはんオバケとその仲間たちが、
小中学生のおこづかいでも買える価格で帰ってくる!
ということで応援記事を書いてみました。
<概要について>
小学館の特設サイトはこちら。
レーベルはてんとう虫コミックスで全12巻、税込529円程度。
1・2巻は7月24日発売で電子版も同時配信。
クレジットは藤子・F・不二雄、藤子不二雄Aの連名になっています。
小学館のコミックス紹介によると、
1969年に虫プロ商事から発行の「虫コミックス」版の全12巻を元にするとのことで、以前に小学館のてんとう虫コミックスから出ていた全6巻の「傑作選」を復刊するわけではないようです。
収録作品数は
F全集(発売中・ほぼ全話収録)>F・Fランド版(絶版)
>虫コミ版(絶版)≒新装てんコミ版(今回の)>傑作選てんコミ版(絶版)
なので、全ての話が収録されるわけではないことに注意が必要です。
また、O次郎や河伊伊奈子さん、ヒョーロクさんが登場する
「新・オバケのQ太郎」シリーズの刊行は今のところ未定のようです。
◇
いや~嬉しいですね。
もちろん「藤子・F・不二雄大全集」でもオバQは復活していましたが、
いかんせん、一冊の値段が高く、
また、凶器になりうる厚さのため、
子どもが気軽に読める本じゃないなあと思っておりました。
大人にしても、寝転んでおやつ食べながら読める本でないのは同じく。
ひょいっと取り出して、さくっと読める形態で発売されるのは
本当に良かったと思います。
このマンガは大人が読んでも、もちろん面白いのですが、
その「ドカーン!」と炸裂するようなギャグは、
自分の子ども時代のツボにはまって大笑いしていました。
断然子どものうちに読んでほしい!と感じる作品だったので、
今回のてんコミ版の発行は大歓迎です。
旧版のオバQの単行本各種は
平成になる頃には新刊書店から姿を消していたので、
私が「子ども」の頃読むことができたのは、
古本屋で購入できた何冊かのみでした。
それも、全巻揃えることができないまま、
気がつけば大手古書店でショーケース入りのプレミアセット価格に。
高校、大学と多少お金に余裕ができても、ため息が尽きませんでした。
……しかしながら2015年の現在は違う!
「藤子・F・不二雄大全集」によってほぼ全話を読めるだけでなく、
何十年ぶりかで、子どもでも新刊で読める価格・形態で帰ってくる!!
なんといい時代になったんだ!
そんなこんなで、ぜひぜひ応援したい気持ちを胸に、
このマンガの好きなところについて
つらつらと紹介していきたいと思います。
子ども時代に読んだものを中心に挙げているため、
後期作品に偏っておりまして申し訳ありません。
※画像はてんコミからスキャンしておりますので、引用元として挙げている全集のコマと仮名づかいが異なる場合があります。
◇
レギュラーキャラのゴチャゴチャにぎやかさ
やっぱりこれこれ!
オバQは登場人物が個性豊かで、
しかも多人数なのがとても楽しいのです!
連載初期のような、Qちゃんが常識を外して
かき回すような話ももちろん面白いのですが、
キャラが確立してくるにつれて、
正ちゃんドロンパ小池さん等、周囲の連中も負けちゃいない。
誰しもがボケとツッコミをこなせる上に、
全員でギャグの波状攻撃をしかけてくるからたまりません。
全員集合系で好きな話としては、
こちらの「オバQ内閣」などがあります。
(新装版11巻収録見込み)
藤子・F・不二雄/藤子不二雄A, 「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻,
「オバQ内閣」, p283. 小学館, 2010年. ほか。
退屈している連中が集まって政治家ごっこをやる話で、
自然に政治の勉強にもなります。
しかし何より、
これだけのメンツが揃ってまともに「大臣」の仕事をするわけが無い!
ということでこの有様。
同、「オバQ内閣」, p279ほか
文部大臣の正ちゃんの発案。
何も言わず腕組みをしているQ太郎首相の白け方もおかしいですが、
こんなのジャブです。ジャブ。
引き続いて科学技術庁長官のハカセのところに赴くと、
「地球をゆっくり回して一日を長くしよう」という提案が。
どうやってゆっくり回すのか?と問うと、
「それは大臣じゃなくて科学者のかんがえる仕事だよ」
と、バッサリ。
運輸大臣ということで荷物運びをさせられているゴジラを見送りつつ、
大蔵大臣と農林大臣を視察に行くQ太郎首相。
同、「オバQ内閣」, p280ほか
農林大臣の小池さんが、
「安くてうまいラーメンを調べるために予算をよこせ」
と要求すると、
「みんなから税金を集めようかと思っていた」
と発言する木佐大臣。
いよいよ混沌とした内閣が形成されてきたところで、
外務大臣のドロンパに遭遇。
「日中会談けつれつだ!」と叫ぶ大臣に事情を聞くと、
ただでラーメンを食べさせるよう交渉した、とのこと。
同、「オバQ内閣」, p281ほか
これを「いじきたない!」の一言で済ますのか首相……
というか張年天(ちょうねんてん)さんって、オイ。
そもそもアメリカオバケのドロンパが日本の代表なのか!
どいつもこいつもラーメン好きだな!
と、まあ、フルメンバーでたたみかけてきます。
ポイントは一人がおかしいことをやっているんじゃなくて、
いたって真面目に、しかしピントのズレたことを
全員で重ねてくるというところですね。
ツッコミ役はほとんど機能せず、
頂点に達したところでドカーンと爆発するのが
「オバQ」ギャグの真骨頂!
同、「オバQ内閣」, p283ほか
となり町の連中に空き地を取られるという「外交問題」が勃発し、
対応を巡って国会が紛糾する……
と、まあ、現実の政治のようでもありますが、
小池さんは相変わらずラーメン食ったまま達観してたり、
ドロンパが面白がっていたりと、てんでやりたい放題!
こうして多人数でカオスにカオスを重ねていく構造が、
この作品ならではでとても好きなところです。
◇
Qちゃんの居る楽しい日常!
Q太郎は化けることはできないし、大食らいだし、
何か使命を持っているわけでもありません。
でもQちゃんが居たら楽しいだろうな~と感じさせる日常描写、
ユカイな日々の物語にひきつけられます。
中でもちょっとした出来事が
どんどんエスカレートしていくタイプの話がお気に入り。
画像は「今年はついてる」から。
(新装版12巻収録見込み)
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻「今年はついてる」, p78ほか
ゴミがちょうどくずかごに入った、
そういうほんのちょっとした「いいこと」から、
伸一兄さんにおやつをもらい、
近所の押し売りを追っ払っておこづかいをもらい、
ダイヤの指輪を拾って1割の10万円をもらい……
と続いていきます。
同、「今年はついてる」, p87ほか
あやかろうとした正ちゃんが失敗して損をする展開をはさみ、
なおもQちゃんの幸運は続く。
ドロンパが空から落とした果物を食べてしまい、
全財産で弁償しようと山盛りの果物を買ったところに、
高級車が突っ込んでくるという超展開。
同、「今年はついてる」, p89ほか
乗っていたのは運転が苦手な大会社の社長。
「やわらかいものにぶつかったおかげで助かった」と、
Qちゃんにポンと車をプレゼント。
そこに素晴らしいタイミングで通りがかった特大会社の社長が
車が無くて困っており……
と、わらしべ長者のごとく、どんどんすごいことになっていきます。
こんなのありえないだろー
と言えばそのとおりなんですが、
子ども心にはとてもワクワクさせられるお話でした。
Qちゃんが終始無欲で純粋なだけに、
エスカレートしていく幸運とのギャップが楽しいです。
あと、山盛り果物がとても美味しそう。
◇
人間味たっぷりのオバケたち
Qちゃんはもとより、
オバケ連中がみんな人間味豊か!
この作品の「ふしぎ」要素であるはずのオバケでありますが、
本来の怖さ得体の知れなさはどこへやら。
人間ではないもの達が、ごく当たり前のように日常に溶け込み、
喜怒哀楽を持って、読者の身近に感じられます。
こうした「日常の中にある非日常」感が、
爆発的ヒットによって、日本中の人々に受け入れられていたのだと思うと、
改めてこの作品はすごいなあと思います。
何はともあれ、
まずは21世紀の現代でも全く古くない、
賢い妹キャラP子!
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」4巻、「ぼくはだめなオバケ」, p254ほか。
新装版8巻収録見込み。
あんぐりと口を開けた兄に、
「古典文学に描かれた日本女性の地位」が観たいと告げる妹!
ひと目で関係性を把握することができる
完成度の高いひとコマです。
料理や裁縫は苦手だったり、
ヘアスタイルに悩んだり、
ちょっとマイペースなところがあるのも
単なる優等生キャラにならずP子のキャラを引き立たせています。
劣等感に悩む兄へのフォローも忘れない。
今回の新装版にはP子が主人公の
「オバケのP子日記」も収録されるはずなので必見です。
続いては、これまた現代でも通用する、
いたずら好きのあまのじゃくだけど本当はいい子な、
アメリカオバケ、ドロンパ!
同、10巻「ドロンパかわいや」, p255ほか。新装版6巻収録見込み。
ここまで来て「……ような気がする」なのかよ!
悪かった、と素直に謝れないドロンパと
まごのように可愛がる神成さん。
この二人のエピソードも大好きです。
大原家に並んで、こちらもまぎれもない「家族」なんだろうなあ。
そして最後は
Qちゃんのガールフレンド、
パワフル柔道少女オバケ、U子さん!
同、11巻「U子の柔一代」, p212ほか。新装版11巻収録見込み。
並みの人間でもオバケでも相手がつとまらない、
いわゆる暴力ヒロインではありますが、
どこか憎めない魅力を持つ彼女。
つくづく、時代を先取りしているなあと感じます。
対U子さんに関しては、
完全にQちゃんが振り回されっぱなしなのが良いですね。
こういう力関係大好き。
中でも初登場の回では
ドロンパに負けじとU子さんの気をひこうとする
Qちゃんの奮闘ぶりがおかしい。
同、11巻「おてんばU子」, p158ほか。新装版10巻収録見込み
『 123の4 』 って!
詩って!
そう聞くからにはU子さんも薄々判っているはずなのに!
てか「誰の詩?」に対して「123の4」って人名みたいに答えないで!!
だぁーはっはっは!
ああおかしい、子どもの頃はコレが一番好きでした。
ツボにはまって、何度読んでも爆笑していたものです。
ふざけているわけではなく、あくまで本人は詩を捧げようと一生懸命。
いや、マジでQちゃん才能あるよ、惚れるわ!!
実はこれを紹介したいがために記事を書いたようなものでした。
U子さんが本格的にレギュラーに加わるのは
「新・オバケのQ太郎」からで、
無印「オバケのQ太郎」では
ほぼ「小六」掲載分のみの登場ではありますが、
Qちゃんとのかけあいも楽しく、その個性は際立っておりました。
U子さんに関しては「新」の方でも
名作「U子なんかだいきらい」が控えているので、
引き続いての新装版化を目指して応援します!
◇
おまけページ(カバー下)は収録されるか?
その他、今回は虫コミ版を元にするということで、
収録されるか注目なのがおまけページ。
同、10巻「特別資料室」より「独占取材 オバQ ドロンパに七つの公開質問!!」, p396。元典は虫コミックス「オバケのQ太郎」9巻カバー裏より。
ぬかみそをどうして日本政府は禁止しないのかとまで語るドロンパさんが
カッチョイイ。
F全集に収録されたものによると、
虫コミックス版のカバー下には
こういったおまけがいろいろ載っていたようなのですが、
今度のてんコミ版にもなんらかの形で収録されると良いなあ。
◇
最後に、F全集版オバQもおススメ!
前述のように、なかなか気軽に読める感じではないのですが、
その分資料性は高く、作品網羅率はNo.1。
先ほどの虫コミ版カバー下のような再録のほか、
少年サンデーや学年誌での特集記事も多数収録しています。
同、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」2巻、「特別資料室」より(描き方講座とつくり方講座), p447.
玉子の殻を使ったQちゃんのつくり方講座。
説明の文末に全て「いただく」を付けるという、
このリズム感の良さがお気に入りの記事です。
オバQパロディの定番として流行らせよう!?
また、幼年向けに描かれたカラー作品も見どころ。
同、、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」12巻、「サンタさんに会いたい」, p54.
Qちゃんは白くても、どこか温かみがあるのでカラーが映えます。
新装版で興味を持たれた方はF全集もぜひご覧になってみてください。
◇
ということでお送りしてきました
てんコミオバQ新装版記念企画!
興味を持っていただけたり、
また読んでみようかなと感じていただけた箇所がありましたら幸いです。
次世代WHFでためし読み冊子も配られていたようで、
子どもたちが楽しんでくれたら良いなあ。
てんとう虫コミックス「オバケのQ太郎」(新装版)全12巻は、
2015年7月24日から2016年4月にわたって刊行予定です。
◇
<追記>
発売後のレビューを書きました。
てんコミ新装版「オバケのQ太郎」1・2巻見どころ紹介!
てんとう虫コミックス新装版「オバケのQ太郎」1・2巻レビュー(F全集との比較を中心に)
















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